2006年04月25日

【書評】ハーバード流交渉術

ハーバード流交渉術
ハーバード流交渉術

有名なハーバード大学の交渉学研究所が開発・構築した交渉術の決定版です。最近、仕事において交渉がうまくいかないことがあったので読んでみたところ開眼したので、紹介してみる。

交渉とは、首脳が外交問題を話し合う国際レベルの交渉もあれば、家庭で今晩の夕食を話しあうときでも行われるから、この本は誰にとっても参考になると思う。

(本に書かれていない例え話だけど)、例えば、恋人と週末にどこにでかけるか話し合うときに、

女:わたしはお台場に行きたいわ
男:オレは秋葉原に行きたい

と意見が分かれてしまったとする。

女は、秋葉原に行くことになるのなら外の女友達とお台場に行く、と交渉決裂の条件を提示するかもしれない。でも本音は、女友達とお台場に行くよりも男と出かけたいと思っている。

男は秋葉原に行きたいけど、女と週末でかけられなくなることは嫌なので、譲歩してお台場に行くことに同意してしまう。

ありがちな交渉に見えるが、友好関係を深めるために相手に譲歩することも、主張を通すため本意でない交渉決裂のボーダーラインを設定することも賢明な交渉手段ではない。

交渉とは、人と問題とを分離して、問題についての利害にだけに着目して話し合うべきである。この場合は、両者が"お台場ならびに秋葉原に行きたい理由"にあることに掘り下げてみると解決策が見えてくる。

女がお台場に行きたい理由は、ビーナスフォート(ショッピングモール)があるからで、男が秋葉原に行きたい理由は、ヨドバシカメラがあるからだったとすると、ショッピングモールやデパートがたくさんあり、ヨドバシカメラがある
新宿に行けば、両者の希望は叶うのである。

必ずしも二者択一に絞りこむ必要はないし、友好関係に配慮したり、意志をぶつけたり、交渉決裂の条件を提示する必要はない。この本は"人"ではなく、"問題"にだけ焦点をあてた"原則立脚型"の交渉方法を提案している。

簡単なことだけどなかなか実践できていないことも多いので、非常にためになりました。

ちなみに私はこの本をAmazonマーケットプレイスで中古で購入したのだけど、コンディションが"良い"と紹介されていたから購入したにもかかわらず、届いた本は茶色く紙が日焼けしコンディションは"悪い"ものでした。

すぐにAmazonマーケットプレイスの評価欄で出品者を悪く評価しようかと思ったが、私は評価を送信する前に出品者に直接メールで、本が茶色く灼けていてコンディションが"良い"とはいえないと交渉材料を提案してみた。

すると出品者から、謝罪の言葉と、返金対応の案内、さらに古本なので返本は不要。との返事をいただいた。とても好対応をしていただいたので、私はAmazonマーケットプレイスの評価欄で"☆☆☆☆☆"(☆5つが最高)を送信した。

私は無料で本が手に入り、出品者は、欠陥品を送ったにもかかわらず最高の評価を得た。私がコンディションが悪い商品で我慢し、出品者がマーケットプレイスで悪い評価を受ければ、両者にとってマイナスだったわけで、評価を決定する前に、交渉の材料を提案することで(この場合メール送信しただけ)で
両者にとって良い結果となった。

これはうまくいった交渉の一例かな、と思った。仕事での交渉もこのようにうまくいくとよいのだけど、仕事での交渉はなかなか複雑である。

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